初めての確定申告。その8「在宅Webライターの経費・家事按分」
明日には確定申告書類を提出したい、さよりです。早く解放されたい…。
“初めての確定申告”と題し、ついにその8まで来てしまいました。
今回は在宅でWebライターとしてお仕事中の人向けに、知っておきたい経費をご紹介します。
察しがつく方はお分かりでしょう。そうです。今回も来年の私のための記事です。
その9以降も続くので、サクッと進めます。
※これからご紹介する仕訳は、直接税理士の方に聞いたわけではありません。ネットや本の情報を元に調べました。税理士のHPや実際に確定申告をした人のブログを中心に調べたので、信憑性は高いと思います。
ご不明点がある方は確定申告書類を提出する前(または提出時)に、税理士や税務署の方へご相談ください。私に聞かれても簡単なことしか分かりません。申し訳ないです。
※記載の情報に間違いがあれば、コメント欄でお気軽にご指摘ください。随時修正します!
その4でこの式をご紹介しました。覚えていますか?
(収入−経費−所得控除)×税率=税金
この計算をするためにせっせと帳簿作ったり、申告書を書いたりします。また、次のようなこともしれっと言ってました。
収入が多いほど、または経費が少ないほど、税金はどんどん増えることが分かります。
経費と、経費の仕訳を中心にお伝えします。経費が増えれば納める税金が減る可能性はありますが、むやみに「これも経費。これも経費にしよう…ふふふ…」なんてのはダメです。
在宅Webライター向けの経費をご紹介するので、似た環境の人の参考になれば幸いです。在宅って自由なようで面倒…ゴニョゴニョ…。
在宅Webライターにかかる経費
経費とは、仕事をする上で必要なお金のことです。パソコン代とか電気代とか、さまざまな経費があります。
会社ではなく自宅で仕事をしていると、いろいろな経費がかかっています。確定申告について書いているので、実際に私が帳簿につけた経費をご紹介します。
※太字は勘定科目です。
あくまでも、経費は仕事をする上で必要なお金です。
細かーく考えるとトイレ使用時にかかった水道代も計上できそうですが、私はPCでの作業がメインですし、計上しませんでした。
例えば飲食店を経営していれば、水道代を経費として計算できます。
プロバイダー代は自宅にWi-Fiをひいてるので、その代金です。他は分かりやすいと思います。
レシートや通帳など証明できるものが必要
経費として計上するには、領収書や通帳など、お金を支払った証明ができるものが必要です。当然ながら、買ってもいない本を経費として計上することはできません。
- レシートや領収書
- 通帳
- 出金伝票
などが一般的です。
確定申告の時期って何となく「レシートを探す」とイメージする人いませんか?経費として落とすためです。好き勝手に経費にするわけにはいきませんからね…。
自宅以外で作業した場合
ずっと在宅で仕事をしていると「たまにはカフェで仕事したい!」という日があります。私もそうです。毎日カフェ行きたい…。
- カフェのレシート
- コワーキングスペース使用時にもらった領収書
これらも経費にできます。残念ながら、私はスタバのレシートを全て捨てていました。2杯目が半額なので、スタバたまに行きます。でも2杯目注文後、役目を果たしたレシートはうっかり捨ててました…。
ただし、「レシートがあれば何でも経費にできる」というわけではありません。
- 友人とランチ
- 家族と外食した
このような仕事以外の目的の場合には経費にできません。
※食事代が経費にできないわけではありません。
参考:あらゆる領収書は経費で落とせる!?事例で学ぶ経費の基礎 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム
もし経費にしたい飲食代があれば、レシートや領収書にメモを残しておきましょう。
- 自宅付近で工事が始まり、騒音で集中できないためカフェで仕事した
- PCを修理に出しているため、ネットカフェで仕事した
仕事の内容や時間をメモし、もしあれば上記のような理由もきっちり書いておくと尚良し!
私は今回の反省を機に、財布内のレシート置き場を決めました。「ここに入れるレシートは経費!」と決めておくと習慣になる…なりそうです(まだ今年カフェで作業してない)
家賃を経費にするなら、按分!
在宅なので「家賃を経費にしよう」と思いましたが、どうやら家賃を丸々経費にはできないと判明。自宅は仕事だけではなく、日常生活を送る場所でもあるからです。
ここで登場するのが家事按分(かじあんぶん)。
聞き慣れない人もいる…と嬉しいです。なぜなら、今回の確定申告で初めて按分という言葉を知ったからです。「按」って漢字、初対面。
家事按分とは、仕事に関わる経費を割合(比率)で分けることです。
在宅で仕事をしていると、電気代や家賃には仕事用とプライベート用が混在しています。家事按分で仕事30%・プライベート70%のように分けることで、経費として計上します。
按分の決め方
按分はどのように決めたら良いのでしょうか?仕事用の割合が多いほど経費として落とせる金額が増えますが、適当に決めるわけにはいきません。レシートと同様、仕事に使った根拠が必要です。
例えば家賃。按分の決め方は大きく2つあるようです。
- 面積…作業スペースの面積
- 時間…仕事をしている時間
・面積
自宅全体で50㎡あり、その内1室(10㎡)で仕事をしているとします。
10÷50=0.2(20%) 家賃が5万円とすると5万×0.2=1万円
1万円を経費として計上します。
・時間
1日8時間仕事しているとします。8時間は1日の3分の1(≒33%)ですね。
5万円×0.33=16,500円
16,500円を経費として計上。
電気代や携帯代も同様で、作業時間などの根拠が必要です。電気代は、コンセントの数で割合を決める方法もあるようです。
※参考:家賃や光熱費を経費にする「家事按分」のやり方|スモビバ!
※参考:家事関連費を支払った場合の家事按分| やよいの白色申告 オンライン サポート情報
家事按分、私の場合
「家事按分」で調べると、いろんな例が出てきます。ここで私の例をご紹介します。
作業時間が1日およそ8時間なので、家賃・電気代・プロバイダー代は全て30%にしました。
携帯代のみ10%にしてます。仕事はほとんどPCで作業していますが、携帯でも情報収集やクライアントとの連絡など、仕事で使うことがあるからです。
携帯をPCの横に置き、デュアルモニターとして使っていることもあります。しかしPCよりは見ている時間が少ないので、10%に留めました。
MFクラウドの家事按分
ここでMFクラウドの家事按分の方法をご紹介します。
画面左の封筒のアイコンをクリックすると、上から2つ目にありますね。家事按分!
家事按分をクリックするとページが変わり、右上に「家事按分設定の作成」のボタンがあります。クリーック!
別のウインドウが出てくるので、ここで家事按分を設定できます。事業比率に仕事用で使っている割合を入力します。
登録するとこんな感じ。補助科目は、自分に分かりやすいように活用しましょう。
もし後から事業割合を変えたい場合には、「編集」で修正可能です。
「仕訳登録」をクリックすると、仕訳で入力した家賃や電気代が事業割合分だけ減ります。
「一括仕訳登録」をクリックすれば、一気に按分してくれます。はやーい!
経費の仕訳
さて。経費の仕訳もざっくりお伝えします。基本的にはこれまでと変わらないので、慣れたらテンプレ化して一気に進めると楽です。
その7で触れた、発生主義。
- 発生主義…納品日(収入確定日)、振込日ごとに仕訳
私は経費でも発生主義で仕訳しました。
家賃と携帯代で少し性質が異なるので、仕訳にも違いがあります。契約内容により差はありますが、私は下記の通り。
- 家賃…翌月の家賃を、前月までに支払う(引落し)
- 携帯…今月の料金を、来月支払う(引落し)
いつのものに対して支払っているのか、違いますよね。
翌月分を前月支払い(家賃)
家賃の仕訳からやってみましょう。按分前、つまり按分を無視した仕訳をします。
・家賃10万円
・4月分の家賃を3月10日に普通預金から引き落とされた
この仕訳をします。
基本はその6の冒頭でご紹介したように、
- 勘定科目を調べる
- 増えた勘定科目が表(※)のどこに当てはまるか確認
- 借方(左)と貸方(右)に同じ金額を書く
この順序で進めます。経費も同じです。
家賃の勘定科目は「地代家賃」といいます。家賃は費用です。
- 家賃が引き落とされた3月10日の仕訳
前払費用 10万 普通預金 10万
前払費用という勘定科目を使います。前払費用はまだサービスを受けてないけど、お金は払ったときに使う勘定科目です。
費用(前払費用)が増え、資産(普通預金)は減ったので、上記のような仕訳をしています。
※前払や未払は少々ややこしいので、あまり深く考えない方がいいかも…。
- 4月の仕訳
地代家賃 10万 前払費用 10万
ここで家賃を費用として計上。「4月になり無事にサービスを受けられたため、前払費用が減った」という仕訳です。家賃は翌月分を前払いなので、特殊といえば特殊な仕訳に感じます。
例でいう4月の仕訳をするタイミングは、毎月月末に固定しています。サービスを受けた(1ヶ月自宅を使用できた)との意味を込めて、月末にしました。
- 「毎月この仕訳をするのは面倒…」という人は、家賃が引き落とされた時のみ仕訳する方法もあります。
地代家賃 10万 普通預金 10万
ただし、12月だけは前払い費用の仕訳が必要です。
前払費用 10万 普通預金 10万
面倒ですが、私は家賃引落し日と当月でそれぞれ仕訳しています。
今月分を来月支払い(携帯や電気代など)
・4月分の携帯代5,000円を5月25日に引落し
この仕訳をやってみます。
携帯代は通信費という勘定科目です。
- 4月の仕訳
通信費 5,000 未払金 5,000
携帯を使った月は、まだ料金を支払っていません。しかし通信費はかかっています。「費用(通信費)が増え、負債(未払金)が増えた」という仕訳をしました。
この仕訳は月末にしています。
- 5月25日の仕訳
携帯代が引き落とされた日は
未払金 5,000 普通預金 5,000
「負債(未払金)が減り、資産(普通預金)も減った」という仕訳。
電気代も勘定科目が違うだけで、仕訳は同じです。ちなみに電気代の勘定科目は「水道光熱費」。
分からない仕訳があれば、グーグル先生に「飲食代 仕訳」のように聞くと大半は教えてくれます(丸投げ)
MFクラウド
ここまで仕訳中心にお話していたので、あまり触れていなかったMFクラウドについて少し。
補助科目
補助科目は勘定科目のメモのような役割で、登録しておくと便利です。
左の歯車のアイコンをクリックすると、上から3つ目に「勘定科目」とあります。
「勘定科目」をクリックすると、ページが変わります。1番下に「補助科目追加」とありますね。ここから自由に追加できます。
私はクラウドワークスやランサーズ、携帯代、楽天銀行など自分に分かりやすいように書いています。
MFクラウドでの仕訳
仕訳が分かれば、ひたすら登録するだけです!銀行やクレジットカードのデータを連携すれば、一部修正するだけで簡単に仕訳ができます。便利〜
今回は手入力で「これは便利!」と感じた方法をいくつかご紹介します。
仕訳は「振替伝票入力」でこんな感じに入力できます。
これは月末時点の携帯代の仕訳です。勘定科目の補助科目として、「携帯代」を登録しました。
メモや摘要には「【○月分】△△代」や「(クライアント名):ランサーズのタスク」などのように、パッと見て「何に対してお金を払ったか」「何に対して振り込まれたお金か」が分かるように活用しています。
「仕訳辞書として保存」も便利でした!
仕訳したものを辞書として登録しておくと、仕訳辞書としてすぐに呼び出せます!毎月使う仕訳は辞書保存してます。
先程の携帯代を例にすると、
仕訳辞書を使用→何月か入力→金額を入力
と数字だけ入力すればOK!
一旦仕訳が分かれば、基本的に数字の変更だけで済みます。
その9は確定申告後の更新になりそうです。
お読みくださり、ありがとうございます!
(メモ:5,074文字)