初めての確定申告。その7「Webライターが使う仕訳のまとめ」
確定申告に希望が見えてきた、さよりです。良かった…。
前回、売掛金やら源泉徴収やらのお話をしました。
後半ではランサーズの仕訳もご紹介しました。
今回はクラウドワークス の仕訳をご紹介します。
※これからご紹介する仕訳は、直接税理士の方に聞いたわけではありません。ネットや本の情報を元に調べました。税理士のHPや実際に確定申告をした人のブログを中心に調べたので、信憑性は高いと思います。
ご不明点がある方は確定申告書類を提出する前(または提出時)に、税理士や税務署の方へご相談ください。私に聞かれても簡単なことしか分かりません。申し訳ないです。
※記載の情報に間違いがあれば、コメント欄でお気軽にご指摘ください。随時修正します!
クラウドワークスの仕訳例
クラウドワークスは、手数料が引かれます。
私は10万円超えの仕事をしたことがないので、毎回20%引かれています。泣きそう。
出金済み一覧にも記載の通り、カッコ内は報酬の全額、実際に支払われたのは20%引いた額(カッコの上の額)です。
1番下が分かりやすいと思います。500円×80%=400円
前回の復習です!
・売掛金とは代金を支払ってもらうのは決まってるけど、後払い(クライアント側のツケ)
・売上高とは確定している収益
「7月28日に記事を納品。報酬は500円。システム手数料20%引かれる。12月15日に振込」、この仕訳をしてみます。
7月28日時点ではまだ報酬は振り込まれていないので、後払いのもの(売掛金=資産)が増え、記事を納品して確定した収益(売上高=収益)が増えました。
資産が増えた=借方(左)、収益が増えた=貸方(右)ですね。というわけで…
売掛金 400 売上高 400
システム利用料の20%も仕訳しておきます。(私はその方が分かりやすいです。)
一旦、システム利用料(支払手数料)がかかり、収益として扱います。
支払手数料 100 売上高 100
- 12月15日
普通預金に400円の報酬が振り込まれました。仕訳を先にご紹介。
普通預金 400 売掛金 400
普通預金(資産)が増え、売掛金(クライアント側のツケ。資産)が減ったという仕訳です。
システム手数料20%引かれる、他の仕訳例
別の例でクラウドワークスの仕訳をしてみましょう。先程とほぼほぼ同じなので、詳しい説明は省きます。
「1,000円の記事を3月1日に納品。4月25日に振込。システム手数料20%引かれる」
この仕訳は
- 3月1日
売掛金 800 売上高 800
支払手数料 200 売上高 200
1000円-システム手数料200円=800円。実際に振り込まれる800円を、売掛金として仕訳。
システム手数料を支払手数料として処理。
- 4月25日
普通預金 800 売掛金 800
普通預金に800円増えたとして処理。
システム手数料20%+振込手数料100円引かれる仕訳
クラウドワークス でもランサーズ同様、出金時に振込手数料が引かれます。楽天銀行は100円、楽天銀行以外なら500円がかかります。
前回ご紹介した、次の例。
・1記事の報酬:2,000円
・3月1日に納品、振込は4月30日に楽天銀行
・システム利用手数料20%引かれる:2,000円×20%=400円
・楽天銀行の振込手数料:100円
ランサーズでの仕訳はこうでした。
- 3月1日
売掛金 2,000 売上高 2,000
支払手数料 400 売掛金 400
※1行目は一旦、全額2,000円を売掛金にしています。2行目で「システム利用手数料をランサーズへ支払った」と仕訳しています。
※ランサーズの入出金履歴では、後からシステム手数料が引かれているため。
- 4月30日
普通預金 1,500 売掛金 1,500
雑費 100 売掛金 100
クラウドワークスもランサーズと結果は同じなので、上記と同じでも間違いではありません。私は次のように仕訳しています。
- 3月1日
売掛金 1,600 売上高 1,600
支払手数料 400 売上高 400
※手数料を引いた、1,600円が後払い(売掛金)として仕訳。
- 4月30日
普通預金 1,500 売掛金 1,500
雑費 100 売掛金 100
※ランサーズと同じ。
直接契約時の仕訳例(源泉徴収される)
私はクラウドソーシングとは別に、1社直接契約を結んでいます。
源泉徴収が毎回引かれています。前回でも触れましたが、源泉徴収税額分は戻ってくる可能性があります。確定申告で取り戻しましょう!
源泉徴収されている時の仕訳例として、次のような例をご紹介しました。
原稿料:10,000円、源泉徴収税額:1,021円、振込額:8,979円の例で仕訳します。原稿料の振込前と後で仕訳します。
- 振込前
売掛金 10,000 売上高 10,000
- 振込時
普通預金 8,979 売掛金 8,979
事業主貸 1,021 売掛金 1,021
※源泉徴収分は事業主貸として処理しましたが、仮払税金でも可。
※ただし仮払税金にすると、決算処理時に事業主貸へ振り替える手間がかかります。最初から事業主貸の方が楽です。
今回は、振込手数料をWebライター側が負担している例も見てみましょう。分かりやすく、振込手数料を100円とします。
- 振込時
普通預金 8,879 売掛金 8,879
事業主貸 1,021 売掛金 1,021
雑費 100 売掛金 100
普通預金から振込手数料100円を引き、8,879円に。
※ちなみに、私はマネーフォワードを使っています。
スムーズに仕訳できるところが好き。
Webライターが使う主な仕訳まとめ
仕訳、慣れてきましたか?
ほぼほぼ同じ仕訳の繰り返しなので、一旦仕訳が分かれば、テンプレ化しておくと便利です。1回ずつ仕訳をじっくり考えていると、帳簿作成が終わらず、確定申告も終わりません…。
※「仕訳、ちゃんと勉強したい!」という人は、日商簿記3級の取得がおすすめです。私は8年程前に取得しましたが、今年めっっちゃ役立ちました。
ここで、これまでの仕訳をまとめます!私はこれを見ながら仕訳してました。はっきり言って、来年の私のためのまとめです。
クラウドソーシングで使う仕訳
私はランサーズとクラウドソーシングで違う仕訳をしています。ネットで調べると、同じ仕訳にしている人も見かけました。
参考にしつつ、分かりやすい方法で仕訳してみてください。以下は全て
・報酬10,000円
・報酬確定日と振込日は別
・システム手数料20%が引かれる
・システム手数料の勘定科目は「支払手数料」(雑費でも可)
・振込手数料ありの場合、手数料は100円
・振込手数料の勘定科目は「雑費」
を例にしています。
ランサーズ
- 報酬確定時(振込手数料なし)
売掛金 10,000 売上高 10,000
支払手数料 2,000 売掛金 2,000
※1行目の売掛金は確定した報酬を全額計上。
- 振込時(振込手数料なし)
普通預金 8,000 売掛金 8,000
------------------------------------------------
- 報酬確定時(振込手数料あり)
売掛金 10,000 売上高 10,000
支払手数料 2,000 売掛金 2,000
- 振込時(振込手数料あり)
普通預金 7,900 売掛金 7,900
雑費 100 売掛金 100
クラウドワークス
- 報酬確定時(振込手数料なし)
売掛金 8,000 売上高 8,000
支払手数料 2,000 売上高 2,000
※売掛金はシステム手数料20%を引いた額を計上。
- 振込時(振込手数料なし)
普通預金 8,000 売掛金 8,000
------------------------------------------------
- 報酬確定時(振込手数料あり)
売掛金 8,000 売上高 8,000
支払手数料 2,000 売上高 2,000
- 振込時(振込手数料あり)
普通預金 7,900 売掛金 7,900
雑費 100 売掛金 100
源泉徴収あり(※源泉徴収率10.21%)
- 報酬確定時(振込手数料なし)
売掛金 10,000 売上高 10,000
- 振込時(振込手数料なし)
普通預金 8,979 売掛金 8,979
事業主貸 1,021 売掛金 1,021
------------------------------------------------
- 報酬確定時(振込手数料あり)
売掛金 10,000 売上高 10,000
- 振込時(振込手数料あり)
事業主貸 1,021 売掛金 1,021
雑費 100 売掛金 100
一度決めたルールは変えられない
ここで大事な大事な注意点!
一度決めた仕訳は、基本的に変えられません!例えば「ランサーズではこのルールで仕訳しよう」と決めたら、変えられないのです。
特に勘定科目は慎重に決めましょう。例えばシステム手数料の勘定科目を「雑費」と決めたら、今後ずっと雑費にします。
一旦1年分の帳簿を完成させたら、来年「勘定科目、やっぱり雑費じゃなくて支払手数料にしよう」と気軽に変更できません。初めての帳簿の作成途中なら、何度でも変えてOKです。
そのため、今回の確定申告は慎重に進めました。めっっっちゃ時間かかって泣きそうだけど…ははは…(目が笑ってない)
白色申告は発生主義
今更ですが、私は「発生主義」に従って仕訳しています。他に「現金主義」があります。
- 現金主義…振込や現金の入出金時のみ仕訳する
- 発生主義…納品日(収入確定日)、振込日ごとに仕訳
白色申告は発生主義です。現金主義は要件を満たす人のみ認められています。(青色申告10万円控除)
※参考:帳簿記帳の基本|起業した後|起業マニュアル|起業する|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
Webライターは基本的に
記事を執筆→納品→検収→報酬確定→(請求書の送付)→入金
このような流れで入金まで時間がかかります。
しかも、クラウドソーシングは「入金が2ヶ月後」なんてザラにあります。発生主義の方が仕訳しやすく、「この案件は入金済み」「これは未入金」と把握しやすいです。
白色申告は発生主義。手間はそれなりにかかりますが、結果的に分かりやすいと思います。
なんということでしょう…4,000文字近く書いてる…。次がその8ですが、いつまで続くのか先が見えません。その20まで続いたらどうしよう(今月まだ仕事してない)
仕訳ができれば、会計ソフトの作業は楽です。淡々とこなせば終わります。いつか終わります!
次回は報酬以外の仕訳をご紹介します。「電気代」とか「家賃」とかそのあたりのお話です。その10ぐらいで終わらせたいです。
お読みくださり、ありがとうございます!
(メモ:4,395文字)