初めての確定申告。その6「売掛金と売上高と源泉徴収」
※3/4:一部、修正しました。ランサーズで、振込手数料が発生する仕訳を追加しました。
ブログを書くのが楽しい、さよりです。確定申告の100万倍楽しい。
前回は仕訳について説明しました。
仕訳は簡単に書くと、
- 勘定科目を調べる
- 増えた勘定科目が表(※)のどこに当てはまるか確認
- 借方(左)と貸方(右)に同じ金額を書く
この順序でできます。
※表はこちら。
増えた勘定科目が借方と貸方のどちらにあるのか分かれば、仕訳はできたも同然です!
前回触れたように、
Webライターは使う勘定科目がほぼほぼ固定され、仕訳もある程度テンプレ化されます。
Webライターの仕訳は、あんまり難しく考えなくて大丈夫です。前回、こんなことも書いていました。
次回で「Webライターはこれを押さえておけばOK!」な仕訳をご紹介します。
そこで今回から、Webライターが押さえておきたい仕訳をご紹介します。正直言って、来年の私のための備忘録です。今年の確定申告を乗り切っても、来年忘れる自信が100万%ある!(自信満々)
具体例が多いので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※これからご紹介する仕訳は、直接税理士の方に聞いたわけではありません。ネットや本の情報を元に調べました。税理士のHPや実際に確定申告をした人のブログを中心に調べたので、信憑性は高いと思います。
ご不明点がある方は確定申告書類を提出する前(または提出時)に、税理士や税務署の方へご相談ください。私に聞かれても簡単なことしか分かりません。申し訳ないです。
※記載の情報に間違いがあれば、コメント欄でお気軽にご指摘ください。随時修正します!
昨年の途中に脱サラした人は、どう仕訳するの?
私の場合は1〜4月までは会社勤めで、7月からクラウドソーシングを中心にライティングの仕事をしています。
私のように会社を退職し、年の途中からフリーランスになった人は「前職の給料って帳簿に書くの?」と悩む人もいるでしょう。私も悩みました。「仕訳ってどの時点からスタートするの??」と。
基本的には前職のことを帳簿に書かなくても大丈夫です。(※例外もあるので「基本的に」と書いています。)
私の場合だと、1〜4月分の仕訳は不要!
ただし退職した会社の源泉徴収票がぜっっっっったい必要です!私は今年1月に前の職場へ電話し、源泉徴収票を送ってもらいました。緊張した…。
(※帳簿への仕訳は不要ですが、確定申告書Bへ給与の記入欄があります。)
つまり、7月分の仕訳から始めました。
これは押さえるべし!売掛金と売上高
私はクラウドソーシングのランサーズとクラウドワークス を利用しています。加えて、直接契約が1社。
まずは仕訳に重要な、売掛金(うりかけきん)の説明をします。絶対使います!
売掛金とは代金を支払ってもらうのは決まってるけど、後払いのこと。代金を払う側からすると「ツケにしといて!」と捉えることもできます。
Webライターは執筆した記事を納品し、報酬は後から受け取ることが大半だと思います。つまり代金は後払い=売掛金。売掛金は勘定科目の1つで、仕訳で使います。
「3月1日に記事を納品し、報酬は4月25日に普通預金へ2,000円振り込まれる」この仕訳をやってみます。
- 3月1日の仕訳
売掛金 2,000 売上高 2,000
売掛金は代金後払いのこと。3月1日時点ではまだ報酬が振り込まれていないので、「売掛金が増えた」と考えます。売掛金=資産です。つまり表では…
資産(売掛金)が増えた=借方(左)ですね。よって売掛金を左に書きます。
売上高とは「確定している収益」のことです。先程の表の1番下にいますよね、収益。まだお金は振り込まれていませんが、記事を納品した収益(利益)は確定しています。
仕訳はこうでしたね。
売掛金 2,000 売上高 2,000
売掛金=資産、売上高=収益です。
この仕訳を説明すると「売掛金(後払いのお金)が増え、売上高(確定した収益)も増えた」ということになります。
「えっと…よく分からない…」とお悩みの方は、仕訳ごと覚えてしまいましょう!仕訳はその7以降でまとめます。
→追記:まとめました!その7「Webライターが使う仕訳のまとめ」
続いて「報酬は4月25日に普通預金へ2,000円振り込まれる」、この仕訳をしてみます。
- 4月25日の仕訳
普通預金=資産、売掛金=資産です。2,000円分普通預金に振り込まれたので、普通預金にお金が増えました。後払いのお金である売掛金は振込が終わったので「売掛金がなくなった」と考えます。相手側の「ツケが消えた」とも捉えられます。
表を見てみると、増えた資産である普通預金は借方(左)、減った資産である売掛金は貸方(右)ですね。
よって先程の仕訳、
になるわけです。説明が難しかったらすみません!「やっぱり分からない」という人は仕訳ごと覚える戦法で確定申告を乗り切りましょう(無理矢理感…)
続いて、ランサーズの仕訳例をご紹介します。
ランサーズでの仕訳例
ランサーズの入出金履歴を見ると分かりやすいのですが
先に入金され、基本的には後から20%のシステム利用手数料が引かれています。
履歴の1番上、「ランサーズアンケート回答の報酬分」はシステム利用手数料が引かれていません。仕訳はこうなります。
- 入金前
売掛金 10 売上高 10
※売掛金(後払いのお金)が増え、売上高(確定している収益)も増えた。
- 入金後
システム利用手数料20%引かれる仕訳
【ランサーズ初心者の方限定タスク】ではシステム利用手数料が20%引かれています。仕訳はこう!
- 入金前
売掛金 10 売上高 10
支払手数料 2 売掛金 2
※1行目で一旦全額分を売掛金にして、2行目で「システム利用手数料をランサーズへ支払った」と仕訳しています。
※支払手数料は「雑費」という勘定科目でもOK。
- 入金後
※実際に振り込まれた8円分を「普通預金が増えた」としています。
※3/4:修正→2行目の仕訳は不要でした。お詫びと訂正いたします。振込手数料が発生する仕訳を、以下の通り追加しました。
システム手数料20%+振込手数料100円引かれる仕訳
ランサーズでは出金時、振込手数料がかかります。楽天銀行は100円、楽天銀行以外は500円かかります。Oh...no.....
・1記事の報酬:2,000円
・3月1日に納品、振込は4月30日に楽天銀行
・システム利用手数料20%引かれる:2,000円×20%=400円
・楽天銀行の振込手数料:100円
この仕訳をしてみましょう。ランサーズならスタンダードな仕訳だと思います。
- 3月1日
売掛金 2,000 売上高 2,000
支払手数料 400 売掛金 400
1行目は一旦、全額分を売掛金にして、2行目で「システム利用手数料をランサーズへ支払った」と仕訳しています。
2行目はシステム利用手数料400円を、支払手数料として処理しました。「雑費」でもOKです。
- 4月30日
雑費 100 売掛金 100
実際に振り込まれたのは1,600円から振込手数料100円を引いた、1,500円です。1行目では素直に、普通預金1500円が増えたとして仕訳。
2行目に100円の振込手数料を雑費で処理しました。
基本的に、この仕訳を繰り返します。※その7以降で仕訳はまとめます。
しかーし!落とし穴があるので要注意!
ランサーズのマイページ内、支払い管理を見ると現在こんなバナーがいます。年間収支は絶対確認してください!
お仕事によっては、源泉徴収税額が引かれてます!私は1件ありました。63円…?
支払い管理ページには「源泉徴収一覧」もありますよね。
源泉徴収額が引かれていた月をクリックすると…
63円って書いてる!!入出金履歴を計算すると、 この63円を引いて入金と出金が一致しました。確かに引かれてる…63円引かれてる…。
ん?源泉徴収って何?
源泉徴収と聞いたことがある人もいらっしゃるでしょう。源泉徴収税という税金の徴収のことで、対象になる報酬や料金が定められています。
原稿料や講演料などが源泉徴収の対象になっています。Webライターなら原稿料が関係してきます。
明細書で「源泉徴収税額」と見かけたら、その金額分をクライアント側がすでに納めています。私の代わりに先に納めてくれています。
源泉徴収税額は、確定申告すると還付金として戻る可能性が高いお金なんです!!
原稿料として10.21%引かれていることが多く、1万円なら1,021円引かれています。1年分となると結構な金額になります。
※支払い金額が100万以下なら10.21%
ランサーズの場合、クライアント=ランサーズだと、源泉徴収税額を引いているようです。
源泉徴収されている時の仕訳例
原稿料:10,000円、源泉徴収税額:1,021円、振込額:8,979円の例で仕訳します。原稿料の振込前と後で仕訳します。
- 振込前
売掛金 10,000 売上高 10,000
一旦、原稿料分を全額売掛金(後払い)で仕訳。
- 振込時
事業主貸 1,021 売掛金 1,021
普通預金に8,979円振り込まれた、と素直に仕訳。源泉徴収税額はまだ入金されていないので、売掛金としています。
源泉徴収税の勘定科目は事業主貸を使用。仮払税金でもOKですが、決算時に事業主貸に振り替える必要があります。面倒なので私は事業主貸で仕訳しました。
※参考:報酬が源泉徴収された時の帳簿付けなど - 個人事業主メモ
※参考:源泉徴収された場合の仕訳は?個人事業収入の記帳方法 | クラウド会計ソフト freee
予想よりだいぶ書いてしまいました…。 クラウドワークス 編と直接契約編は次回にします。
お読みくださり、ありがとうございます!
(メモ:4,015文字)